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Posted by サンマヤ - 2013.06.01,Sat
平成25年度の都立高校入試問題 理科の分析 その4です。

これまでの記事
理科の分析 その1
理科の分析 その2
理科の分析 その3

また、この記事を読むときは、
お手元に昨年度の問題を用意しながら読んでいただくといいかと思います。

過去問はこちらから

いままで書いた部分に関しても、
発表された正答率などをもとに書き足す予定です。




大問5 イオンと液性

問1 気体の性質と発生方法
(難易度1 正答率62.8%)

これは頻出の
酸 + 金属 → 水素

選択肢の発生方法も「塩酸 + 亜鉛板」ということでエしかない。

ちなみに、それぞれの発生方法は
ア 酸素
イ 塩素
ウ 二酸化炭素
エ 水素
が発生する。
正答率も6割を超え、この部分の理解は進んでいるようだ。

問2 液性の理由と性質

(記述 難易度2 正答率39.1%)
(記号 難易度1 正答率75.1%)

まずは液性を示す理由だが、
酸性は水素イオン、アルカリ性は水酸化物イオンがそれぞれ多い状態をいう。
この場合はアルカリ性のことを問われているので、
「水酸化物イオンが多いから」
と答えればよい。

次に、液性を調べる方法の選択問題。
まず、アとウの選択肢は消える。
アの「二酸化炭素を吹き込むと白くにごる」のは石灰水。液性は関係ない。
ウの「石灰石にかけると気体が発生する」のは酸。
アルカリ性では、
「BTB溶液・リトマスは青、フェノールフタレイン溶液は赤」になる。
こういった試薬の変化は性格に覚えておこう。
答えはになる。
これは正答率も高かった。

問3 中和とイオン数
(難易度3 正答率21.7%)

これは難しかったようだ。
表を使って説明しよう。

ポイントは中和において、
H+ + OH- = H20
という反応が起きて、イオン数が減るということ。
ただし、水酸化ナトリウムにもイオンが入っているので、
単純にイオン数が減るというわけではない。

模式的に、最初の塩酸の濃さを3とする。塩酸の電離は、
HCl →H+ + Cl-
なので、水素イオンと塩化物イオンが3つずつあることになる。
(3つ目で中和されているので、3個にしてある)
1回分(2cm3)の水酸化ナトリウムが、分子1個分を含むとすれば、
水溶液中のイオンは電離が、
NaOH → Na+ + OH-
ということを考えれば、ナトリウムイオンと水酸化物イオンとが1個ずつ入っていることになる。
(この辺のことは、問題文中の図にもモデルが描かれている)
以上を踏まえて、表を作ってみる。


混ぜる前 混ぜた後
試験管 Cl- H+ OH- Na+ Cl- H+ OH- Na+ 合計
A 3 3 1 1 3 2 0 1 6
B 3 3 2 2 3 1 0 2 6
C 3 3 3 3 3 0 0 3 6
D 3 3 4 4 3 0 1 4 8
E 3 3 5 5 3 0 2 5 10
水素イオンが水酸化物イオンより多いか同じところまでは、中和によって打ち消しあう。
つまり、中和が終わるまでは水素イオンがナトリウムイオンに置き換わるだけで
イオン数に変化はない。
そして、その後は水酸化ナトリウムを入れた分だけイオンが増えていく。
よって答えはウとなる。

注:実際は、中性の状態でも水は電離しているので、水素イオンや水酸化物イオンが0になることはない。
ただ、非常に少ないのでほぼ0と考えていい。
そこを踏まえて、問題文中も「ほぼ等しい」などの表現になっている。
こういった事情は高校の化学でイオン積(平衡定数)として学習することになるだろう。


大問6 力と運動

問1 フックの法則
(選択 難易度1 正答率78.6%)
(記述 難易度2 正答率36.3%)

フックの法則は「ばねの伸びは働いている力に比例する」というもの。

グラフの正解はアでこれは8割近い人が正解していた。
一方、それを選んだ理由を書かせると正解率は半分以下に落ちる。
模範解答では、
「原点を通り、測定値を表す点の近くを通る直線でかかれているから」
となっている。
まず比例なので「原点を通る直線」ということは必須。
だが、問題には「測定値」という語句を入れて、という指示がある。
勝手な直線を引けばいいというわけではない。
「測定値の近くを通る」という説明が必要になる。
分かっていても、それを言葉で表現できないということなのだろう。
普段から、語句の暗記ではなく、「語句の意味を暗記」することが必要だと思う。

問2 力の向きと作用点
(難易度2 正答率40.2%)

まずは作用点から考えよう。中学で出てくる力では、
重力=重心
そのほか=接触している点
が作用点になる。
よって、アとイに絞られる。
次に向きについては、「鉄球にはたらく力」なので、
ばねから=引っ張る力
床から=床に対して垂直で上向き
ということになるから、正解はイになる。

問3 力と加速度
(難易度2 正答率47.6%)

この問題は、もう少し正答率が低いと思ったが、
半分近くの人が正解したようだ。

実験結果から、斜面の傾きが大きいほど速さの増え方が大きくなる。
ここが問われているわけではないが、
最終的な速度は変わらない(力学的エネルギー保存の法則)が、
加速度(速さの増え方)=増えた速さ÷かかった時間
は、時間が短い分大きくなる。

加速度は、力の大きさに関係している。
その原因となっている力は重力だが、
重力の大きさ自体が大きくなるわけではない
よって、アは×
「垂直抗力」と書いてあるイも×。
加速度は力の向きにかかるので、
斜面を落ちる速度は斜面に沿った方向にはたらく力によって生じる。
というわけで、正解はエとなる


以上で平成25年度の理科についての解説は一通り終わりです。
次回からは一般的な理科を中心とした勉強方法についての話をしていく予定です。

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