もう10年前の本なのだが、図書館でふとみつけて読んでみた。
(もう絶版のようで、アフィリエイトしてもまったく意味がないのはいつものことだw)
ここ1年半ぐらいの、小中学生を中心に教える生活は、
なかなか新しい発見がありました。
その中でも、算数や数学をどう教えるのか、
というのが、自分の中では大きなテーマだったりします。
本書では、
「やっていくうちに理解する」
「ゲーム化」
「自信をつけさせる」
といった導入のところから、
「空間図形を避けるな」
「戦略的思考の重視」
「証明問題をきちんと書かせる」
といった具体的な内容まで、かなり参考になる話が多くありました。
とくに
・現実社会型
どういうことに応用されているのか、ということに興味を持ち、
問題も具体的なものにより食いつく傾向のある生徒
・純粋思考型
整数問題や論理・証明問題、パズル的な問題といった、
純粋数学的な問題により食いつく傾向のある生徒
と分類して、それぞれに合った教育法をしたらよいということは参考になりました。
ただ、最近の世知辛い世の中を反映してか、「現実社会型」の生徒がほとんどになっている気がします。
もうひとつ。これは数学に限らず、な話かもしれませんが、
「こんな勉強、何に役に立つの?」
という質問は、教育に携わっていれば、かならず投げかけられたことのある言葉でしょう。
筆者の芳沢氏は、これに対して、
数学あるいは数学的思考が、生きていく上で重要だということをきちんと説くべき、
とおっしゃいます。
これはそのとおりでしょうし、教える側にしても常に、
教えるとはどういうことか、
生徒にとって学ぶとはどういう意味があるのか、
それに照らして、いまの授業内容・方法はどうなのか?
ということを考えながらやらなくてはならないでしょう。
ですが、一方で「勉強の内容なんてほとんどが役に立たない」という認識も重要ではないでしょうか。
重要なのは内容ではなく、「自分に必要なことを調べ、身につける学習方法」を身につける、
と最近考えています。
時代はどんどん変化しますし、
インターネットでいろいろなことを調べることができます。
自分が中学生のとき覚えた社会の地理や歴史の事柄は、
いまやほとんど通用しなくなってきているのに愕然としましたw
そういう意味で、「方法」を身につけることが重要なのではないでしょうか。
本書から10年。
「ゆとり教育」への反省から指導要領は内容的に拡充され、
今年からそれが本格的に採用されました。
それに伴って日本の教育がどうなっていくのか、
その中で自分に何ができるのか、常に意識した授業をしていきたいものです。
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